ーどうしておれには いつも 見えないのだろう
相手(ヒト)の心が・・・ー
緑川ゆき『夏目友人帳2』白泉社 2006.8 p128
幼い頃より人に見えないものが見え、他者に気味悪がられてきた主人公の夏目。
自分と同じものを見ることができる力を持ち、それを乗り越えてきた名取に出会う。
しかし名取に心を開こうとした矢先に起こった出来事がナツメを再度、孤独へと引き戻す。
見たくもないものは見え、見たいものはなかなか見ることができない主人公の呟きに似たモノローグ。


そして第七話はこう閉じられる。
同じものを見同じものを感じる人とさえすれちがってしまう
そんな悲しみを 皆は 知っていたんだ
あいかわらずの 妖が見える日々
けれど僕も皆と同じ 人の心は今日も 見えない
いつか 見てやるぞと目を凝らす日々。
緑川ゆき『夏目友人帳2』白泉社 2006.8 p.144